電話勧誘販売のクーリングオフ

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電話勧誘販売とは?

特定商取引法第2条3項は電話勧誘販売を以下のように定義しています。

『「電話勧誘販売」とは、販売業者又は役務提供事業者が、電話をかけ又は政令で定める方法により電話をかけさせ、その電話において行う売買契約又は役務提供契約の締結についての勧誘(以下「電話勧誘行為」という。)により、その相手方(以下「電話勧誘顧客」という。)から当該売買契約の申込みを郵便等により受け、若しくは電話勧誘顧客と当該売買契約を郵便等により締結して行う商品若しくは指定権利の販売又は電話勧誘顧客から当該役務提供契約の申込みを郵便等により受け、若しくは電話勧誘顧客と当該役務提供契約を郵便等により締結して行う指定役務の提供をいう。』

大変読みにくい文章ですが、ポイントをまとめると以下のようになります。

販売業者・役務提供事業者が相手方(電話勧誘顧客)に商品を電話をかけ又は政令で定める方法により電話をかけさせ、電話で勧誘し、郵便等により契約の申込みを受け、又は締結すること。

主体:販売業者・役務提供事業者
客体:電話勧誘を受けた相手方(電話勧誘顧客)
行為:電話をかけ又は政令で定める方法により電話をかけさせ、電話で勧誘し、郵便等により契約の申込みを受け、又は締結すること。

政令で定める方法とは

電話勧誘販売を業者が消費者に電話をかけた場合のみと限定してしまうと、業者の欺瞞的な手段で電話をかけさせられた場合に、法の規制を受けなくなってしまいます。ですから、政令で定める一定の場合は消費者から電話をかけた場合でも電話勧誘販売に含められることになりました。

①販売目的秘匿

電話、郵便、電報、ビラ配布、パンフレット配布により契約締結・役務提供契約の締結について勧誘するためのものであることを告げずに、電話をかけさせること。

②有利条件販売告知

電話、郵便、電報により他の者と比して著しく有利な条件で契約締結・役務提供契約の締結ができることを告げて、電話をかけさせること。

郵便等とは

郵便等とは、郵便、電話機、ファクシミリ装置その他の通信機器・情報処理のように供する機器を利用する方法、電報、預金・貯金の口座に対する振込みによることをいいます。

クーリングオフの効果

電話勧誘販売で行った申込みや契約の締結をクーリングオフした場合は、以下の8つの法的効果(作用)が発生します。

  • 契約の申込みの場合は意思表示が撤回され、申込みがなかった状態となる。契約が成立している場合には、クーリングオフがなされると契約は効力を失う
  • クーリングオフに伴う損害賠償または違約金の支払を請求されることはない
  • クーリングオフされた売買契約で引き渡された商品や、移転された権利の引取費用、返還費用は事業者の負担となる。
  • 既に権利の行使により利用された施設や既に提供された役務がある場合でも、クーリングオフされた役務提供契約上の対価その他の金銭または権利の使用によって得られた利益に相当する金銭の支払を請求することはできない。
  • 役務提供事業者にクーリングオフされた役務提供契約に関連して受領している金銭の速やかな返還義務が生じる。
  • 役務提供契約または権利の売買契約により、土地または建物その他の工作物の現状が変更された場合、無償で原状回復の措置を講じるよう請求できる
  • クーリングオフに関する規定に反する特約で申込者等に不利なものは無効とされる。
  • クーリングオフの効果はクーリングオフにかかる書面を発した時にその効力が生じる

クーリングオフの方法

電話勧誘販売のクーリングオフはどのような場合に可能なのでしょうか?まず、電話勧誘販売のクーリングオフを行う場合、以下に掲げる8つの要件(条件)を全て満たす必要があります。これらの要件が1つでも欠けているとクーリングオフができませんのでご注意ください。

クーリングオフ要件

  • 電話勧誘販売によること
  • 消費者が契約の申込み又は締結を行ったこと
  • 法定書面を受領した日から8日以内であること
  • 書面により契約申込みの撤回又は解除の意思表示をすること
  • 政令指定消耗品の場合、商品を使用又は消費していないこと
  • 3,000円未満の現金取引でないこと
  • 適用除外規定・適用除外商品に該当しないこと

法定書面

事業者には法定の書面を交付する義務があり、法定書面には以下の項目を全て虚偽なく記載しなければなりません。以下の項目を1つでも欠いたり、虚偽の記載があった場合は法定書面とは認められません。ですから、クーリングオフの権利行使の起算日が開始していないものと解され、消費者は適法な書面が交付されるまで、いつまでもクーリングオフが可能となります。

  • 商品・権利の販売価格又は役務提供の対価
  • 商品・権利の代金または役務の対価の支払方法・支払時期
  • 商品の引渡し時期、権利の移転時期、役務の提供時間
  • クーリングオフに関する事項
  • 事業者の氏名・名称、住所、電話番号、法人代表者名
  • 契約の申込み又は締結を担当した者の氏名
  • 契約の申込み又は締結の年月日
  • 商品名及び商品の商標または製造者名
  • 商品の型式・種類、権利の種類、役務の種類
  • 商品の数量
  • 瑕疵担保責任の定めがある場合には、その内容
  • 契約の解除に関する定めがあるときは、その内容
  • その他特約がある場合は、その内容

クーリングオフの期間

クーリングオフは「法定書面を受領した日から8日以内であること」が要件とされていますが、この8日以内とは、法定書面交付の日を1日目として算入します。例えば、月曜日に法定書面を受領した場合には、その日を1日目と計算し、8日目は翌週の月曜日となり、クーリングオフができる最終日となります。また、電話加入販売のクーリングオフは発信主義を採用していますから、申込者等がクーリングオフの通知書を出したときに効力が生じるので、事業者への通知の到達が9日目以降でも有効です。

適用除外規定・適用除外商品

電話勧誘販売のクーリングオフの要件を満たしていても、以下の適用除外規定・適用除外商品に該当するとクーリングオフができません。

<適用除外規定>

  • 契約者が営業のために若しくは営業として締結する取引
  • 国外にあるものに対する取引
  • 国または地方公共団体が行う取引
  • 労働組合等の団体が構成員に対して行う取引
  • 事業者が従業員に対して行う取引
  • 消費者から電話をかけることを請求して行われた取引
  • 継続的取引関係にある顧客との電話勧誘販売取引

<適用除外商品>

  • 乗用自動車

電話勧誘販売のクーリングオフ通知書例

電話勧誘販売によって売買契約を締結し、代金も全額支払ってしまった場合のクーリングオフ通知書面の例をご紹介します。

  • 内容証明郵便の詳しい書き方についてはこちらから。
  • 代金を支払っている場合、業者に対して支払った代金の返還請求することが可能です。
  • クレジット契約を締結している場合、クレジット会社にも通知しなければなりません。
  • この通知書例を使用したことにより発生した損害について、当HPは一切の責任を負いません。

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